楽しいこともある

かぁたん.jpg漫画家・石川 優吾(いしかわ・ゆーご)のホームページです

広場恐怖症・パニック障害のこと・・・。

【今、しんどくても、なんとかなる話】
ボクは中学生の頃から、外出すると下痢するものだから「お腹が弱いんだ」と
思ってたんだけど、これって実は(あとで解るんだけど)「過敏性腸症候群」っていう
立派な病気だったみたいで、まぁ正露丸を飲んでおけばなんとかなってたし、
普通に生活はできてたんだけど、
漫画家になってそうとう神経をすり減らし始めたからか、
ある日バイクに跨って赤信号で止まっている時に、突然、パニック発作が起きて
「死ぬんじゃないか?」ってくらい強烈な動悸を伴う恐怖感に襲われて
慌てて家に戻ったら何事も無かったみたいに治まる日々を送ることになったんだ。

で、「外に出かけるたび死にそうになる恐怖」から、年々行動範囲が狭くなり
20代後半で、とうとう街へ出られなくなって、近所のコンビニに行くのにも
何度もトイレに行ってから、焦燥感に襲われつつ出掛けなきゃならなくなって
ほぼ、引きこもりの生活が20年続くことになったんだ。

この時点で、もともと抱えてた過敏性腸症候群からパニック障害による
外出困難にまで悪化してたんだけど、
体調の良い日にあちこちの病院へ出かけたが、どこもまともに取り合ってくれなくて
(その頃はまだ既出の病名すら認知されていなかった)
「生活習慣が悪いから自律神経失調症(本来、こんな病名は無い)になる」
「身に覚えは有りませんか? シンナーやら変な薬やってるでしょ?」とか
言われる始末で、だれも神経の病気だなんて考えてもくれなかった。
(今から思えば内科の医者の不勉強にあきれる、せめてうつ病と誤診してくれていたら、
広場恐怖orパニック障害の薬ってウツ用のと共通だから効いてたはず)

その後、ネットが普及し自分の症状を調べてみたら「パニック障害」という
病気が有り、心療内科という新しい科で診てもらえることが判明。

で、心臓バクバク・冷や汗・死ぬんじゃないかって恐怖に襲われながら
なんとか隣町の心療内科に通い始めたら、運よく薬が合ったみたいで
数ヶ月で大阪府下・京都あたりまでなら出かけられる様になって行ったのです。

主治医の先生に「家の中ではパニック発作が起きないので、あなたはパニック障害ではなく広場恐怖症です」
「うつ発症してないのが幸いした」同時に「よく頑張ってこられましたね」と言われた時は
本当に助かったって半泣きになってしまったんだ。

漫画家の職業は家に閉じ篭っていてもやっていける職種なので生計はたてられた事が
幸いしたのでしょうね、会社員だったらどうなっていたらと思うと怖ろしくてたまりません。

今、パニック発作に襲われている方たちに言いたいのは薬で治るということ、
薬が合わなくても通院をやめずに身体に合う薬がみつかるまで頑張ること、
(いっぱい種類が有るから身体に合う薬が見つかるまで、かかる人は時間がかかるらしい) 
あと、主治医がやたら薬を出す(3種類以上)場合は病院を変えたほうがいいかも知れません。

うつ病も含め、今は、治る病気になったので心療内科・精神科って敷居は高いですが、ぜひ通院をお勧めします。

そんなボクが「プロ生活30周年」を記念して開催してもらったイベントの様子がこれ。
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2015-11-09